PAST

2022年12月、期間限定で開設していたリコーアートギャラリーは閉廊いたします。リコーアートギャラリーでの活動を締めくくる記念すべき展覧会として、名和晃平の個展「Focus」を開催する運びとなりました。本展では、立体プリントによる12点の新作を発表いたします。今回は名和とリコーの間で、ストレートな表現はもちろん、本来のプリンターの機能としては想定されていなかったイレギュラーな使用方法までも含めた数多くのテストプリントを制作し、その可能性を追求してまいりました。こうして完成した新作は、平面作品でありながら三次元性を感じさせる、彫刻的な作品に仕上がりました。画面上で立体層が繊細かつリズミカルに造形されることにより、強い視覚効果や物質性があらわれています。StareReap の現在地を感じることのできる本展を、是非ともご高覧いただきますようお願い申し上げます。

2022年12月、期間限定で開設していたリコーアートギャラリーは閉廊いたします。リコーアートギャラリーでの活動を締めくくる記念すべき展覧会として、名和晃平の個展「Focus」を開催する運びとなりました。本展では、立体プリントによる12点の新作を発表いたします。今回は名和とリコーの間で、ストレートな表現はもちろん、本来のプリンターの機能としては想定されていなかったイレギュラーな使用方法までも含めた数多くのテストプリントを制作し、その可能性を追求してまいりました。こうして完成した新作は、平面作品でありながら三次元性を感じさせる、彫刻的な作品に仕上がりました。画面上で立体層が繊細かつリズミカルに造形されることにより、強い視覚効果や物質性があらわれています。StareReap の現在地を感じることのできる本展を、是非ともご高覧いただきますようお願い申し上げます。

今回の展示は、リコーの印刷技術を通じて、名和の作品の背後に存在する関係性を再編集し、UV プリントへと投影する実験的な試みとなりました。星や大地をモチーフとしつつ、それらの間を結びつける力に焦点が当てられています。名和は自身の創作のルーツの一つとして、幼少期の天体観測の記憶と、そこから派生した天文や物理への興味を挙げています。実際にこれまでも、重力をはじめとした「世界をかたちづくる不可視の力」をたびたび作品のテーマとしてきました。今回はUVプリントという、平面と立体、版画と立体造形の中間的な質感を持つメディアを用いることで、情報と物質の境界的な存在としてこれを表現しています。作品を構成する黒一色のインクの塊には、星々の光やその間に働く万有引力、それを観測する人間のパースペクティブ、そして彼らが立つ大地を形成した地球の運動といった、力の無数の側面が取り出されています
今回の展示は、リコーの印刷技術を通じて、名和の作品の背後に存在する関係性を再編集し、UV プリントへと投影する実験的な試みとなりました。星や大地をモチーフとしつつ、それらの間を結びつける力に焦点が当てられています。名和は自身の創作のルーツの一つとして、幼少期の天体観測の記憶と、そこから派生した天文や物理への興味を挙げています。実際にこれまでも、重力をはじめとした「世界をかたちづくる不可視の力」をたびたび作品のテーマとしてきました。今回はUVプリントという、平面と立体、版画と立体造形の中間的な質感を持つメディアを用いることで、情報と物質の境界的な存在としてこれを表現しています。作品を構成する黒一色のインクの塊には、星々の光やその間に働く万有引力、それを観測する人間のパースペクティブ、そして彼らが立つ大地を形成した地球の運動といった、力の無数の側面が取り出されています