REPORT

リコーアートギャラリーのこけら落としとして6月5日に開催した梅沢和木『画像・アラウンドスケープ・粒子』展。梅沢作品のコレクターでもあるCAMPFIREの家入一真さんが梅沢さんの魅力、本展への期待を語った。


国内最大級のクラウドファンディング「CAMPFIRE」、投資ファンド「NOW」の創設者であり、渋谷のカフェ「オン・ザ・コーナー」や“現代の駆け込み寺”たるシェアハウス「リバ邸」を立上げた――オンラインからリアルスペースまで多彩なビジネスを展開する家入一真さん。じつは彼にはもうひとつの顔がある。“現代アートのコレクター”としての顔だ。所有するアート作品、通称“家入コレクション”には、岡崎乾二郎のような世界的に知られる作家から、TIDE、愛★まどんなといった気鋭の美術家、またリコーアートギャラリーのオープニングエキシビションとして個展を開く梅沢和木さんも名を連ねる。梅沢さんは特に思い入れの強い作家のひとりだという。



家入さんが梅沢さんを知ったのは、SNS黎明期。Twitter上でお互いをフォローし合っていたが、梅沢の展覧会に足を運ぶようになり、親交を深めた。初めて見た梅沢作品を「一目惚れに近かった」と振り返る。

梅沢さんの制作方法は独特だ。インターネット上で収集したキャラクターの画像を分解・合成し一枚の紙に出力。さらにその上から油絵の具やアクリル絵の具、色鉛筆などで加筆し、独自のイメージ世界を完成させる。いまでこそ “クール”なものとして世界から注目を集めるオタクカルチャーと絵画というファインアート、両方の気配が作品から浮かび上がる。それを梅沢さんはデジタルネイティブならではの自然な身体感覚で行なう。こうした作風に、家入さんはすぐに惹かれていったのだという。「僕自身も大好きな“ゲーム”や“アニメ”、またインターネット・ミームを感じさせるモチーフが、一枚の絵の中に散りばめられ、新しい世界を表出させている。それが素直に興味深かった」と家入さん。そして、「インターネットを中心とした日本特有のカルチャーを代表する作家」と評した。



「梅沢さんに関しては、僕が彼の一番のコレクターになりたいという思いがあります。どこか知らない人の手元に渡るよりも、僕のところに来てほしい」とは、家入さんの弁。オフィスのエントランスやミーティングスペースにも、梅沢さんの作品がいくつか掛けられている。

ところで、家入さんがアートを買うポイントとはどんなものだろうか。近年、スタートアップへの投資も積極的に行う家入さん。起業への投資をする際、「まず、その人を見る」というのがポリシーだが、アートを買うという行為にも、良い意味で似た点があるようだ。「若いスタートアップや起業家に投資するときも、アート作品を買うときも、基本的に僕はリターンを求めません。購入した作品がどんなに価格が上がっても、手放さずにずっと所有するというのが僕のスタンスです。ではなぜ起業家に出資したり、アートを購入するのかーー彼らがこれから、どのような世界を生み出していくのかに興味があるから。それに対して、参加料を払ってジョインする感覚です。梅沢さんの作品は、制作と発表を重ねながら、その世界観やスケールが増していると思います。これからどう変わり、どのような世界を作り上げていくのか、僕もその物語の参加者にさせていただいているのです」



今回の個展『画像・アラウンドスケープ・粒子』では、すべてリコーの2.5次元プリンタ技術StareReapを駆使した新作が並ぶ。梅沢さんが画像をコラージュして作り上げたイメージを、顔料で厚塗りしながら立体的にプリントし、いつもと同様に絵の具で加筆し、仕上げられた。その作品を、家入さんは「めちゃくちゃいい」と率直に話し、新鮮な表情でじっくりと見続けた。

アートの歴史を俯瞰したとき、素材や技術の発展が作家や作品に大きな影響を与えることは少なくない。今回の2.5次元印刷技術も、そういう意味で、新しい表現を生む可能性がある、と家入さんは目を輝かせる。「梅沢さんは、制作方法や作風の点でも、時代の変化とともに変わっていくことができる現代作家だと思います。これが梅沢さんの今後の作品を大きく変えていくきっかけになるかもしれません。それは、コレクター(=アーティストの物語の参加者)として、とても楽しみなことです」
リコーアートギャラリーのこけら落としとして6月5日に開催した梅沢和木『画像・アラウンドスケープ・粒子』展。梅沢作品のコレクターでもあるCAMPFIREの家入一真さんが梅沢さんの魅力、本展への期待を語った。


国内最大級のクラウドファンディング「CAMPFIRE」、投資ファンド「NOW」の創設者であり、渋谷のカフェ「オン・ザ・コーナー」や“現代の駆け込み寺”たるシェアハウス「リバ邸」を立上げた――オンラインからリアルスペースまで多彩なビジネスを展開する家入一真さん。じつは彼にはもうひとつの顔がある。“現代アートのコレクター”としての顔だ。所有するアート作品、通称“家入コレクション”には、岡崎乾二郎のような世界的に知られる作家から、TIDE、愛★まどんなといった気鋭の美術家、またリコーアートギャラリーのオープニングエキシビションとして個展を開く梅沢和木さんも名を連ねる。梅沢さんは特に思い入れの強い作家のひとりだという。



家入さんが梅沢さんを知ったのは、SNS黎明期。Twitter上でお互いをフォローし合っていたが、梅沢の展覧会に足を運ぶようになり、親交を深めた。初めて見た梅沢作品を「一目惚れに近かった」と振り返る。

梅沢さんの制作方法は独特だ。インターネット上で収集したキャラクターの画像を分解・合成し一枚の紙に出力。さらにその上から油絵の具やアクリル絵の具、色鉛筆などで加筆し、独自のイメージ世界を完成させる。いまでこそ “クール”なものとして世界から注目を集めるオタクカルチャーと絵画というファインアート、両方の気配が作品から浮かび上がる。それを梅沢さんはデジタルネイティブならではの自然な身体感覚で行なう。こうした作風に、家入さんはすぐに惹かれていったのだという。「僕自身も大好きな“ゲーム”や“アニメ”、またインターネット・ミームを感じさせるモチーフが、一枚の絵の中に散りばめられ、新しい世界を表出させている。それが素直に興味深かった」と家入さん。そして、「インターネットを中心とした日本特有のカルチャーを代表する作家」と評した。



「梅沢さんに関しては、僕が彼の一番のコレクターになりたいという思いがあります。どこか知らない人の手元に渡るよりも、僕のところに来てほしい」とは、家入さんの弁。オフィスのエントランスやミーティングスペースにも、梅沢さんの作品がいくつか掛けられている。

ところで、家入さんがアートを買うポイントとはどんなものだろうか。近年、スタートアップへの投資も積極的に行う家入さん。起業への投資をする際、「まず、その人を見る」というのがポリシーだが、アートを買うという行為にも、良い意味で似た点があるようだ。「若いスタートアップや起業家に投資するときも、アート作品を買うときも、基本的に僕はリターンを求めません。購入した作品がどんなに価格が上がっても、手放さずにずっと所有するというのが僕のスタンスです。ではなぜ起業家に出資したり、アートを購入するのかーー彼らがこれから、どのような世界を生み出していくのかに興味があるから。それに対して、参加料を払ってジョインする感覚です。梅沢さんの作品は、制作と発表を重ねながら、その世界観やスケールが増していると思います。これからどう変わり、どのような世界を作り上げていくのか、僕もその物語の参加者にさせていただいているのです」



今回の個展『画像・アラウンドスケープ・粒子』では、すべてリコーの2.5次元プリンタ技術StareReapを駆使した新作が並ぶ。梅沢さんが画像をコラージュして作り上げたイメージを、顔料で厚塗りしながら立体的にプリントし、いつもと同様に絵の具で加筆し、仕上げられた。その作品を、家入さんは「めちゃくちゃいい」と率直に話し、新鮮な表情でじっくりと見続けた。

アートの歴史を俯瞰したとき、素材や技術の発展が作家や作品に大きな影響を与えることは少なくない。今回の2.5次元印刷技術も、そういう意味で、新しい表現を生む可能性がある、と家入さんは目を輝かせる。「梅沢さんは、制作方法や作風の点でも、時代の変化とともに変わっていくことができる現代作家だと思います。これが梅沢さんの今後の作品を大きく変えていくきっかけになるかもしれません。それは、コレクター(=アーティストの物語の参加者)として、とても楽しみなことです」
家入一真(いりいえかずま)

1978年、福岡県生まれ。2003年株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)創業、2008年JASDAQ市場最年少で上場。2011年クラウドファンディングサービス運営の株式会社CAMPFIREを創業、代表取締役に就任。2012年Eコマースプラットフォーム運営のBASE株式会社を設立、共同創業取締役に就任、2019年東証マザーズ上場。
https://ieiri.net
















家入一真(いりいえかずま)

1978年、福岡県生まれ。2003年株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)創業、2008年JASDAQ市場最年少で上場。2011年クラウドファンディングサービス運営の株式会社CAMPFIREを創業、代表取締役に就任。2012年Eコマースプラットフォーム運営のBASE株式会社を設立、共同創業取締役に就任、2019年東証マザーズ上場。
https://ieiri.net
















オフィスにある梅沢作品。左から《片翼の天使》(2020年)、《深淵の片翼》(2020年)
オフィスにある梅沢作品。左から《片翼の天使》(2020年)、《深淵の片翼》(2020年)
「梅沢さんの作品はコラージュなので平面のなかに“立体感”がある。新作ではそれが物理的な形に昇華されていて、驚くべく魅力があります」
「梅沢さんの作品はコラージュなので平面のなかに“立体感”がある。新作ではそれが物理的な形に昇華されていて、驚くべく魅力があります」
StareReapで表現された作品のテクスチャー。デジタル画像特有のピクセル感が立体的な形となって画面を彩る






















StareReapで表現された作品のテクスチャー。デジタル画像特有のピクセル感が立体的な形となって画面を彩る






















個展に先駆け、梅沢さんの新作を鑑賞する家入さん。「これが梅沢さんの今後の作品を大きく変えていくきっかけになるかもしれません」
個展に先駆け、梅沢さんの新作を鑑賞する家入さん。「これが梅沢さんの今後の作品を大きく変えていくきっかけになるかもしれません」


<梅沢和木×家入一真×林達之 クロストーク> Part.01 梅沢和木個展開催・リコーアートギャラリーOPEN記念 RICOH ART GALLERY







<梅沢和木×家入一真×林達之 クロストーク> Part.02 梅沢和木個展開催・リコーアートギャラリーOPEN記念 RICOH ART GALLERY





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