ARTIST

CHRIS

PROFILE
くりす  |  CHRIS
PROFILE

ROOKIE #025 (STACY SPICER)
2021, UV inkjet print (StareReap 2.5) on PVC board with aluminum mounting, 82 x 70.4cm

今回のリコーとのコラボレーションでは、新しい技術であるStareReapがどういう物なのか、その特性と自分の制作の接点はどこなのかということを探りながら実験を繰り返してきました。 僕が理解したStareReapの特性は、本来、平面作品が内包していた微細な凹凸、絵の具やインクや紙が物であるからこそ持っていた物質感を表面のイメージと地続きで再現するということ、そして、それとは別で、デジタルイメージや広告や雑誌などの既製の印刷物や、すでに写真としてプリントされているイメージなど、凹凸をもたない画像に仮想の凹凸や、写真から凹凸を読み取って作り上げるということができるということです。 古くから存在するレリーフという技法が扱っていた、空間や状況を押し込めるような感覚と逆のベクトルをもっているともいえますが、ある意味で新しいレリーフ技法なのではないか。 また、インクの耐候性の観点から、印刷物のコラージュや、カラーペンで描いたドローイングを鋳造し、時間軸をずらすということもあるのではないでしょうか。 僕の作品ではコラージュとしてスピード感や瞬間の積層、異なった文脈、価値、時間軸の混在などを重視しているため、既製品や既製の印刷物そのもの、樹脂や石膏の滴り、降り積もった粉の状態の石膏、コーヒーや水性ペンの滲みなどを作品に取り込むことを積極的に行ってきましたし、あらゆるものが常に何かの過程にあったり、流動的な状態であると捉えているため、美術作品が完成した瞬間に時間が止まるという認識には違和感があります。どのようなタイムスケールをもつかということによって作品の成立の条件は変わっていくのです。

ROOKIE #025 (STACY SPICER)
2021, UV inkjet print (StareReap 2.5) on PVC board with aluminum mounting, 82 x 70.4cm

今回のリコーとのコラボレーションでは、新しい技術であるStareReapがどういう物なのか、その特性と自分の制作の接点はどこなのかということを探りながら実験を繰り返してきました。 僕が理解したStareReapの特性は、本来、平面作品が内包していた微細な凹凸、絵の具やインクや紙が物であるからこそ持っていた物質感を表面のイメージと地続きで再現するということ、そして、それとは別で、デジタルイメージや広告や雑誌などの既製の印刷物や、すでに写真としてプリントされているイメージなど、凹凸をもたない画像に仮想の凹凸や、写真から凹凸を読み取って作り上げるということができるということです。 古くから存在するレリーフという技法が扱っていた、空間や状況を押し込めるような感覚と逆のベクトルをもっているともいえますが、ある意味で新しいレリーフ技法なのではないか。 また、インクの耐候性の観点から、印刷物のコラージュや、カラーペンで描いたドローイングを鋳造し、時間軸をずらすということもあるのではないでしょうか。 僕の作品ではコラージュとしてスピード感や瞬間の積層、異なった文脈、価値、時間軸の混在などを重視しているため、既製品や既製の印刷物そのもの、樹脂や石膏の滴り、降り積もった粉の状態の石膏、コーヒーや水性ペンの滲みなどを作品に取り込むことを積極的に行ってきましたし、あらゆるものが常に何かの過程にあったり、流動的な状態であると捉えているため、美術作品が完成した瞬間に時間が止まるという認識には違和感があります。どのようなタイムスケールをもつかということによって作品の成立の条件は変わっていくのです。

WORKS

ARTIST PROFILE

CHRIS

くりす  |  CHRIS

2012年よりアーティスト活動を開始。独自の視点で収集した膨大なアーカイブをもとに、デコラージュ技法で作品を制作している。
特に自身のバックグラウンドである90’sカルチャーをベースにした数多くの作品を発表。
近年の展覧会に、「神宮の社芸術祝祭」(明治神宮の社、2020)「ROOKIE」(un petit GARAGE / 2021)、アートフェア東京(2016年〜)など。